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台湾企業との合弁事業(JV)を成功に導く Joint Venture Agreement(JVA)で押さえるべき実務ポイント
掲載日
2026/07/22
TSMC 熊本工場(JASM)の稼働を契機に、日本企業と台湾企業による合弁事業(Joint Venture)の検討が急速に進んでいます。日本企業は資金、設備、現地ネットワークや行政対応を担い、台湾企業は半導体製造技術、生産管理ノウハウ、品質管理体制を提供する――このような役割分担は、近年のJVで多く見られる形態です。
もっとも、実務上、合弁事業が難航する原因は、資金や技術そのものではなく、Joint Venture Agreement(JVA)の設計不足であることが少なくありません。
例えば、当事務所が支援した案件(内容は一部変更・匿名化しています)では、日本企業が資金・設備を中心に投資し、台湾企業が製造技術やJASMサプライヤー認証取得を主導するというスキームが検討されていました。日本企業は過半数の出資比率を希望していましたが、交渉の焦点となったのは出資比率そのものではなく、それぞれの貢献に見合った権利と責任をJVAでどのように設計するかでした。
このような案件では、特に次の4点が重要になります。
第一に、出資比率と経営権は必ずしも一致しません。
取締役会の構成、Reserved Matters(重要事項)、議決権の設計によって、意思決定のバランスを調整することができます。
Practice Tip
出資比率だけでなく、「誰が、どの事項について最終決定権を持つのか」をJVAで明確に定めることが重要です。
第二に、技術提供に対する法的保護が不可欠です。
台湾企業が保有する製造技術や品質管理ノウハウは、JVの競争力そのものです。Background IP、Foreground IP、Improvement IPの帰属や利用条件を契約で明確化することにより、将来の紛争を未然に防ぐことができます。
Practice Tip
コア技術は譲渡ではなくライセンス方式で提供することが、実務上多く採用されています。
第三に、サプライヤー認証に関する役割分担を明確にすることが重要です。
JASMをはじめとする半導体メーカーの認証取得は、JVの重要なマイルストーンです。認証取得までの役割分担、スケジュール、未達成時の対応をJVAで具体的に定めることが望まれます。
Practice Tip
「認証取得に協力する」という抽象的な規定ではなく、具体的な責任分担と達成条件を契約書に反映させることが重要です。
第四に、事業開始時からExit戦略も検討しておく必要があります。
株式譲渡、Call Option、技術ライセンス終了、紛争解決方法などを事前に整理しておくことで、万一の場合でも事業への影響を最小限に抑えることができます。
Practice Tip
優れたJVAとは、「どのように協力するか」だけでなく、「どのように円滑に終了するか」まで設計された契約です。
熊本を中心とする半導体投資は、今後も日本企業と台湾企業の協業機会を拡大させていくと考えられます。一方で、両国は会社法、知的財産制度、商慣行や意思決定プロセスが異なるため、契約設計には日本法・台湾法の双方を理解した実務的なアプローチが求められます。
当事務所では、日本企業・台湾企業双方の立場を踏まえ、Joint Venture Agreement(JVA)の作成・レビュー、会社設立、知的財産保護、コーポレートガバナンス及びクロスボーダー投資に関するリーガルサポートを提供しています。台湾企業とのJVをご検討中の日本企業、また日本市場への進出を目指す台湾企業の皆様は、お気軽にご相談ください。
もっとも、実務上、合弁事業が難航する原因は、資金や技術そのものではなく、Joint Venture Agreement(JVA)の設計不足であることが少なくありません。
例えば、当事務所が支援した案件(内容は一部変更・匿名化しています)では、日本企業が資金・設備を中心に投資し、台湾企業が製造技術やJASMサプライヤー認証取得を主導するというスキームが検討されていました。日本企業は過半数の出資比率を希望していましたが、交渉の焦点となったのは出資比率そのものではなく、それぞれの貢献に見合った権利と責任をJVAでどのように設計するかでした。
このような案件では、特に次の4点が重要になります。
第一に、出資比率と経営権は必ずしも一致しません。
取締役会の構成、Reserved Matters(重要事項)、議決権の設計によって、意思決定のバランスを調整することができます。
Practice Tip
出資比率だけでなく、「誰が、どの事項について最終決定権を持つのか」をJVAで明確に定めることが重要です。
第二に、技術提供に対する法的保護が不可欠です。
台湾企業が保有する製造技術や品質管理ノウハウは、JVの競争力そのものです。Background IP、Foreground IP、Improvement IPの帰属や利用条件を契約で明確化することにより、将来の紛争を未然に防ぐことができます。
Practice Tip
コア技術は譲渡ではなくライセンス方式で提供することが、実務上多く採用されています。
第三に、サプライヤー認証に関する役割分担を明確にすることが重要です。
JASMをはじめとする半導体メーカーの認証取得は、JVの重要なマイルストーンです。認証取得までの役割分担、スケジュール、未達成時の対応をJVAで具体的に定めることが望まれます。
Practice Tip
「認証取得に協力する」という抽象的な規定ではなく、具体的な責任分担と達成条件を契約書に反映させることが重要です。
第四に、事業開始時からExit戦略も検討しておく必要があります。
株式譲渡、Call Option、技術ライセンス終了、紛争解決方法などを事前に整理しておくことで、万一の場合でも事業への影響を最小限に抑えることができます。
Practice Tip
優れたJVAとは、「どのように協力するか」だけでなく、「どのように円滑に終了するか」まで設計された契約です。
熊本を中心とする半導体投資は、今後も日本企業と台湾企業の協業機会を拡大させていくと考えられます。一方で、両国は会社法、知的財産制度、商慣行や意思決定プロセスが異なるため、契約設計には日本法・台湾法の双方を理解した実務的なアプローチが求められます。
当事務所では、日本企業・台湾企業双方の立場を踏まえ、Joint Venture Agreement(JVA)の作成・レビュー、会社設立、知的財産保護、コーポレートガバナンス及びクロスボーダー投資に関するリーガルサポートを提供しています。台湾企業とのJVをご検討中の日本企業、また日本市場への進出を目指す台湾企業の皆様は、お気軽にご相談ください。
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